アルツハイマー病は見た目ではわからないところで進行し、何年もかけてゆっくりと脳にダメージを与えていきます。1,2
動画:Biogen-223061
アルツハイマー病の
メカニズムを知る
アルツハイマー病の症状は、脳のさまざまな部分に影響を及ぼし、ゆっくりと進行する神経変性によって引き起こされます。現在の仮説では、神経細胞に影響を及ぼすこの損傷には、2つの特徴的なプロセスが関与しています。1-2
最初のプロセスは、アミロイドβ(ベータ)と呼ばれるタンパク質の蓄積です。 アミロイドβは、すべての人の脳内で生成されます。健康な人の場合、悪影響を及ぼす前に体内で除去されます。アルツハイマー病の脳では、アミロイドβがプラークと呼ばれる大きな塊を作ります。時間が経つにつれて、学習や記憶、その他の作業をつかさどる領域を含む脳のさまざまな部分にプラークが形成され始めます。アミロイドβの蓄積は、症状が現れる20年も前から始まっている可能性があります。1-2
2つ目のプロセスはタウタンパク質が関与するもので、症状が明らかになる約15年前に始まっている可能性があります。 タウは通常、脳内で有用な役割を果たしています。しかし、アルツハイマー病患者では、アミロイドβの蓄積の結果としてタウタンパク質が変化し、神経細胞内でもつれを形成すると考えられています。1-2
最終的には、この2つのプロセスが神経細胞にダメージを与えます。影響を受けた脳の部位がさらに多くなると、短期記憶の喪失、注意力の低下、衝動性、方向感覚の低下、作業を完了することの困難さなどの症状が現れます。このような症状が明らかになるまでに、この病気の根本的なプロセスは20年以上にわたって進行しています。1-2
アルツハイマー病の根底にあるメカニズムが解明されたことで、早期発見・早期診断の重要性が注目され、患者さんへのケアを向上させる中心的要因となっています。3
アミロイドβモノマー(単一ペプチド)は凝集して可溶性のオリゴマー(ペプチドの小さな凝集体)になり、それが結合して不溶性のフィブリル(ペプチドの長い凝集体)やプラークを形成します。1,6
アミロイドβオリゴマーは可溶性で、脳全体に広がる可能性があります。フィブリルは、不溶性でアミロイドβ斑に集合する大きな凝集塊です。5,6
これらのアミロイドβのすべてが脳にダメージを与えるのか、あるいは一部だけが脳にダメージを与えるのかは不明ですが、オリゴマーやプラークなどの凝集型が神経細胞に対して毒性を持つ可能性を裏付ける証拠があります。1,6
1.Jack CR, Bennet DA, Blennow K, et al. NIA-AA Research Framework: Toward a biological definition of Alzheimer’s disease. Alzheimers Dement 2018;14:535–562.
2.Bateman RJ, Xiong C, Benzinger TLS, et al. Clinical and Biomarker Changes in Dominantly Inherited Alzheimer’s Disease. N Engl J Med 2012;367:795–804.
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6.Ono K & Watanabe-Nakayama T. Neurochem Int 151:105208, 2021
Biogen-232902 (疾患情報共通)